ペルソナ3、テーマが伝わってくるいいゲームだった
最近、今までやりたくったけれどやっていなかったゲームをやるようになっている。
ペルソナ4.5をクリアしたのだけれど、どうも青春ジュブナイル感が強すぎて(といっても十二分に面白かった)もっとダークな雰囲気のゲームがしたくなったのでペルソナ3をプレイした。
結果、とても素晴らしい、満足の行くプレイ体験ができた。
単なる娯楽としてのゲームにとどまらず、製作者が何か伝えたいテーマを持っていて、それを伝える手段としてゲームを用いた作品という感想を持った。
何のテーマも持たない、大衆迎合型のゲームが多くなってきているこの時代に、まだ思想の伝達手段としてゲームを用いようとしていた少し古めのゲームをやるのも悪くない。
単に売れればいい、そういうゲームはやったとしてもなんとなく楽しかった、時間が潰せたというような感想しか抱けないが、製作者が金儲け以外の情熱をもって作ったゲームは、ゲームを通してプレイヤーの現実世界での生き方に何らかの影響をもたらすことが出来る。
そしてそれこそがゲームの本来の姿だったのだろうとも思う。
スマホのソシャゲにはできないそういった現実の生き方への影響を、コンシューマーゲームは可能にすることが出来る。
もちろんソシャゲでも周囲とのつながりはできるが、それは別にそのゲームでなくてもいい。
話がそれたけれど、このペルソナ3というゲームは、全編を通じて「生きることとは何なのか」という問いかけをプレイヤーにし続ける。
画面の中の登場人物たちもその問いに対して悩み、何とか答えを出そうとする。
そうやって悩む登場人物たちを見続けることで、現実世界にいてコントローラーを握っている我々プレイヤーもその問いに対する答えを考えざるを得ない。
これこそがこのゲームのテーマであり、プレイヤーに考えさせることが出来たならば、売り上げに関わらずこのゲームは成功だといえるだろう。(売り上げも成功しているが)
誰もがいつかは死ぬということ、決まっている終わりに対してどう立ち向かっていくか、ということ。
そしてペルソナシリーズ全編に通じて僕は「行動しなければ何も変わらない」というテーマを感じている。
主人公の周囲の人たちとの絆を深めることで、主人公自体の能力を向上していく。
ペルソナ3以降はこのコミュシステムがシステムの中心にあるけれど、このシステムからも「行動しろ、それが成長につながる」というテーマを受け取れる。
売り切りのゲームはすべて何らかの伝えたいことを持っていると思うが、このペルソナシリーズは特に伝えたいテーマが強く伝わってくる作品群であり、そこが僕は好きだ。